地震に強い家に住みたい―正しい耐震診断とは、しっかりした耐震補強とは

木造住宅の耐震診断、耐震補強について詳しくわかりやすく解説されています。特に有益だったのは以下の点です：・無料の耐震診断は、診断商法という営業の一環であると書かれています。・間違いだらけの補強工事の章も読ませる内容です。例えば、外付け補強金物の注意点として、内部構造がわからないで施工することが難しいこと、施工においてモルタル壁面の剥落を誘発したり、基礎にアンカーを打ち込むと基礎が割れてしまうこともあるので注意しなければならないことが書かれています。・腐った上に蓋をするようなリフォームが、まかり通っている風潮も批判しています。・在来工法はツーバイフォー工法と比べて特に地震に弱いということがないと書かれています。ツーバイフォー工法導入時点で在来工法にはない耐震規定が設けられていたことによりますが、現在では在来工法でも耐震規定が厳しくなっているとのこと。むしろ店舗のような正面が空いた構造ではるーばいフォーではできないと指摘しています。・木造住宅は、何年持つかではなくて何年持たせるかである。欧米を見ても木造建物は７０年～１２０年程利用されており、湿気の多い日本では劣化対策を適切に行う必要があるが、構造を考えたメンテナンスを適切に行えば長持ちするとしています。・瓦屋根は通気性が良く結露も起きにくいので、軽い屋根材に変えることよりも、壁の補強をした方が有効としています。・日本の森林を保護するためにも、日本の木を使って家を造って循環型の社会にしようと主張しています。・シロアリ対策として土台にヒバ油を塗ると有効であることが書いてあります。暮らしの手帖社の刊行物らしい、消費者の立場に立った本という印象を受けました。